最新情報・お知らせ

お子さんの1歳6ヶ月児健診や3歳児健診などで、癒合歯がありますと言われたことがある親御さんもいると思います。

そこで、今回は癒合歯について、どのようなものなのか、治療が必要か否か、などをお伝えできればと思います。

 ①癒合歯とは

通常、歯は1本ずつ生えていますが、癒合歯は2つ以上の歯が癒合した状態で、乳歯にも永久歯にも見られます。

発現頻度は、乳歯では1~5%、永久歯では0.2~0.3%との報告があります。

よく発生する部位は、下顎の前歯部で、乳中切歯と乳側切歯、または乳側切歯と乳犬歯の癒合が多く、次に、上顎の乳中切歯と乳側切歯の癒合が見られます。臼歯部の癒合は、少ないです。

癒合歯があると、歯列、咬合にも影響を及ぼしやすいとともに、歯列空隙量の増大や歯列弓長の短縮が生じやすくなります。また、被蓋関係への影響としては、下顎歯列に癒合歯があると過蓋咬合が、上顎歯列にあると切端咬合や反対咬合が生じやすくなります。したがって、歯列および咬合状態のチェックや、その変化を診ていく必要があります。

乳歯が癒合歯の場合、後継永久歯にも歯の異常が生じやすくなるため、レントゲン写真撮影によって後継永久歯の状態を診査する必要があります。乳歯が癒合歯の場合、後継永久歯に先天欠如がみられる割合は40%~50%、永久歯が正常に2本存在する割合は40%~50%、後継永久歯も癒合歯の割合は10%程度と言われています。また、下顎の乳側切歯と乳犬歯の癒合の方が、乳中切歯と乳側切歯の癒合よりも、後継永久歯の先天欠如の割合が高いことも報告されています。

乳歯の癒合歯は、後継永久歯の状況によっては交換期に歯根の吸収不全を生じることがあります。とくに、後継永久歯が2本存在する場合、それぞれの萌出時期が異なることから歯根の一部が吸収されずに残ってしまい、永久歯の萌出困難を招くこともあるため、注意が必要です。

②癒合歯の治療方法

癒合歯はそれ程まれなものではなく、早急な対応が必要ではありません。低年齢児では、まずう蝕予防を図りながら経過を観ていくことを勧めます。ブラッシング指導を行うとともに、癒合部に溝がある場合は予防填塞(シーラント)をしていきます。なぜなら、歯冠の結合部分に溝があると、う蝕罹患率が高くなるからです。

3~4歳を過ぎると、後継永久歯の数や発育状態を確認するためにレントゲン写真を撮影する必要性も出てきます。特に、交換期が近づいたら、定期的にレントゲン写真によるチェックを行って、乳歯癒合歯の歯根の吸収不全が生じていないかを確認する必要があります。後継永久歯が2本あると、癒合歯の歯根の吸収不全が起こりやすく、永久歯の萌出誘導のために歯冠の分割や抜去などの処置が必要になることもあります。

癒合歯による歯列および咬合の問題に対しては、乳歯列期は経過観察を行うことが多いですが、永久歯への交換後にも問題が認められた場合は、保護者と相談して矯正的な対応を検討する必要があります。

コメントは利用できません。